さて収穫後。ちゃぶ台にて、破壊者会議が催されました。 指南役は当然アルベルトです。 ア「全員収穫祭を知らないとは…驚きですね。 ――ハロウィンと言えば、少しは分かり易いでしょうか?」 ル「名前くらいは聞いた事があるけど?」 セ「カボチャのお祭りですね」 ユ「カボチャは煮付けにするとウマイ!」 ア「……(ため息)」 |
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突然ですが。 アルベルト先生の、出張学術指南★ (読み飛ばし可) ア「何をします?」 「先生〜!ハロウィンって何ですか?」 「語源は 『神聖な』を意味するHallowに、『夜』… eveningを短縮・変形した、eenが加わったものです。 元々はキリスト教における万聖節…聖人達を記念する祝日である、11月1日の前夜祭でした。 古代ケルトが起源で、秋の収穫を祝い悪霊を追い出す祭りとされています。 最も今は、その宗教的意味合いはほとんど失なわれているようですが… 夜に怪物や魔女に仮装した子供たちが(最近では漫画などの御贔屓キャラクターなどもアリだそうで。 こうなると最早仮装というよりコスプレだと思うのですが、これは余談です) 『Trick or treat! (お菓子くれないと悪戯しちゃうよ!)』と近所を回り菓子を貰うのも有名ですね。 (ちなみにここの管理人はかつて、ハロウィン当日に山の手線内で、仮装した海外の大人の皆さん <団体>を目撃したそうです。御本人達は大変楽しそうでしたが、 管理人はあらゆる意味で複雑な気分に駆られたとか。ああ、これも余談ですね) ちなみに、ハロウィンの象徴でもある、例のカボチャ提灯は「ジャックランタン」と呼ばれています。 最近は日本でも、関連イベントや商品を見かけるようになりましたが、すっかり定着しているクリスマスやバレンタイン等に比べると、まだまだマイナーな感は否めません。 ところで、神が存在しない(=宗教が無い)幻水世界に於いては、 そもそもハロウィンそのものが成立しないんじゃないか?という指摘は、シルバーバーグの名のもと、 闇に葬らせて頂きますのでそのおつもりで」 |
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ア「……ざっとこんな所ですが。何かご質問は?」 ユ「長い!あやうく寝るところだ!」 ア「……それは失礼」 ユ「とにかく、オレはそんなコスプレ祭りに興味は無い!」 ア「いや、重要なのはそこでは無いぞ、ユーバー。 (そもそもコスプレじゃなくて仮装なんだが)」 どうやら人外は中途半端に説明を聞いていた模様です。 |
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ル「僕も”こすぷれ”は御免だな」 ユ「そうだろう!めずらしく意見が合ったな!」 ア「……いやですから、重要なのはそこではなくてですね…」 ルックもいまひとつ理解しきれていないようですが 最早アルベルトは訂正する気力が萎えてきている模様です。 と、その時! |
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セ「コスプレの事はどうでもいいではないですか!」 ア「セラ様!(だからコスプレでは無いんだが…まあいいか…)」 ようやく理解者登場に、アルベルトが安心したのもつかの間。 セ「つまり…ハロウィンは 合法的に他人から食料を奪える お祭りなのですね!」 ア「……!?」 |
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そんなセラ(裏ボス)の曲解により。 突如として、破壊者一家にハロウィン旋風が吹き荒れる事になりました。 寝所もこの通り、すっかりハロウィンムードに! |
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先だって人外が買ってきた 禍々しい蝋燭も、この部屋には違和感なく溶け込んでいます。 (居心地の悪いベットルームだな…) |
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ル「うわ!何コレ!?」 セ「うふふふ!ジャックランタンです、ルック様。 これ無しでハロウィンは始まりませんもの!」 ル「……」 ベット脇を占拠する不気味なカボチャ。 心底邪魔そうなルックと対照的に、セラは大層ご機嫌です。 |
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図らずもセラにやる気を出させてしまったアルベルト。 折を見ては説得を繰り返します。 ア「ですから、仮装して菓子を貰うというのは子どもの話で… いい大人がそのような真似するなど…」 セ「お祭りに老いも若いもないでしょう?」 ア「……」 |
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業を煮やしたアルベルト、ルックに相談をもちかけました。 ア「ルック様から…説得して頂けませんか…。 私の口からではどうにも…」 ル「――そうしたいところだけどね」 |
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ル「本気になったセラは、止められないと思うよ」 ア「…貴方でも、ですか」 ル「……師匠直伝。筋金入りってところかな。 こうなった以上、覚悟を決めたら? 実際家計も助かるんだし」 ア「……」 さすが主夫。小間使い歴15年。とっくに腹くくってました。 |
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頼みの綱を失ったアルベルト、とうとうユーバーに相談です。 人外に頼るなんて…。相当追い詰められてますね。 ア「ヤツでも説得は不可能だそうだ。 こうなっては最早、力技で止めるしかあるまい」 ユ「なんだ?血祭りか!」 ア「いや…それは行き過ぎだが。まあ似たようなものだ。 お前もコスプレは嫌だろう?(←もうコスプレで統一したようですね)」 |
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ユ「コスプレだか何だか知らんが… ケーキが食えるならやってもいい」 ア「!?」 おっと人外。セラから「菓子がもらえる」という事実を聞き すっかり目がくらんでました。 役立たずです。 |
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ア「…ケーキくらいいくらでも作ってやる!」 ユ「本当か!?」 ア「ああ。だからあの女を止め…」 ユ「では、”はろうぃん”ではケーキ以外の菓子を もらうように気をつけねばな!!」 ア「……」 所詮人外なんてそんなもんです。 |
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万策尽きた天才軍師、最後の悪あがき中です。 ア「しかしセラ様…仮装しようにも衣装の調達が…」 セ「それは全て、私に任せてもらいましょうか」 自信満々のセラ、その翌日には しっかり仮装衣装を調達してきました。もちろん4人分。 もはや、 |