■第10話『使用人は見た!2ルックの小間使い日記』2

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ようやく水を片付け終わったルック。
塔内の家事はヒルダさんにお任せして、
裏庭にやってきました。

そこには、こじんまりとした家庭菜園が…。
そう、庭いじりも小間使いの大事なお仕事なのです。
ル「フウ……」

植えたのは、ブドウとエルダーベリーの苗。
少々お疲れ気味のルックですが
成長したお宅の娘さんは、その
8倍の数の野菜を
一人で植えてますぜ!
続いて水遣り。
家庭菜園はここだけなので、簡単な仕事だと思ったら大間違い。
魔術師の塔の外周には、レック様の意向により
これでもかっ!」というほど
花が植えまくられているので、水遣りはちょっとした重労働なのです…。

ル「植えるのは勝手だけど、
  世話するのは僕だからね……」

小間使いはつらいですね。でも……
ル「フフ……」

案外お花の世話、嫌いじゃないみたいです。
さて。水遣りを終えるころには、もうすっかり夜に……
急いで夕飯の支度をせねばなりません。
今夜のメニューは……

幻水3コミック6巻カニパンチ登場記念☆かに玉』です。

まあ要するに…
かに玉です。(原材料=カニパンチ100%)
ここぞとばかりに、星見をほっぽらかして
レック様が降りてきました。

レ「まあ……食欲をそそる香りですね」

水浸しになったときには、降りて来る気配すらなかったのにね!
少し遅れて、チビセラもやってきました。

セ「わあ……おいしそうです!」

うんうん、た〜んとお食べ!(
カニパンチを
レ「(ガツガツ……)」
ル「レックナート様……今朝もまた、
浴槽を破壊されましたね」
レ「(ガツガツ……)まあ……そうでしたか?(ムシャムシャ……)」
ル「もっと丁寧に使って頂けると助か――」
レ「(ガツガツ……)」
ル「フウ……」

馬の耳に念仏、
食事中のレック様にお小言、ですね。
さて。翌朝です。

ル「――朝、か」

昨日あれだけ働いていても、起床はきっかり午前6時。
小間使いの朝は早いのです。
しっかりベッドメイクをしてから、台所へ!
7時。
朝ごはんの支度をしていると、チビセラが起きてきました。

セ「おはようございます、ルックさま」
ル「おはようセラ。もう少しでできるから、顔を洗っておいで」
セ「はい!」

む〜!ほのぼの☆
朝ごはんは、オコサマが大好きなオムライス。
二人仲良く並んで座り、楽しい朝ごはんです。

セ「いただきます」
ル「よく噛んで食べるんだよ」
セ「ルックさま…!!
  ふわふわしていて、とてもおいしいです!」
ル「そう、良かった」
セ「ルックさまは、本当にお料理がお上手なのですね」

微笑ましい二人の朝ごはんを、暖かく見守っていると……
朝食のニオイを嗅ぎ付けてこの御方が降りてらっしゃいました。
相変わらず破廉恥なネグリジェです…。

ご飯ができるまで、全く起きる気配が無いのは
どういう了見でしょう。
セ「で・では……いってまいります!」

おおっ…!?
レック様と一緒にご飯を食べるのがイヤなのか
チビセラはさっさと学校に行ってしまいました……。

いや、単に迎えがきたから、なんですけども。
余りにもタイミングがよすぎて、なんだか勘ぐってしまいます。
んなこたー気にも留めず、レック様は幸せそうに
オムライスを頬張っておられます。

レ「まあ……食べ残しですか?(セラの皿を見つつ)
  それは、頂いてもよろしいのかしら?」
ル「……お好きなように」

朝っぱらから、食欲旺盛にも程があります。
オムライスを喰らい続ける師匠は放置して、
ルックは裏庭へ。

昨日植えたエルダーベリー&ブドウ、すっかり育っておりました。

ル「今日中に、収穫できるかもしれないね」
続いて、お花に水遣り。
ルックのかいがいしいお世話のお陰で、
どの苗も美しい花を咲かせています

こんなかんじ〜。

う〜ん、見事なもんです。

ル「フフッ……」

鮮やかに咲き誇る花畑を見つめ、心なしか嬉しそうなルック。
忙しい家事の合間、穏やかな時間を過ごしていたその時――
えろパジャマ着たままの師匠が、音も無くやって来ました!

>ルック、逃げてーー!